新潟県の米山知事の辞職表明を受けて、新潟県知事選挙が6月上旬にも行われる見通しに。最大の争点になると見られるのが東京電力の柏崎刈羽原発の再稼働問題です。
水野倫之解説委員の解説。


米山知事は、福島の事故の検証が終わらない限り判断はしないと繰り返していたので、柏崎刈羽の再稼働の見通しは全くたっていなかった。
なので今後の選挙戦は再稼働の議論に大きな影響。
柏崎刈羽原発は去年12月に、最大のハードルだった原子力規制委員会の審査をようやく超えたところ。
ところが知事は、福島の事故を起こした東京電力が再び原発を運転する点を重く見て、あらかじめ3つのハードル。
福島の事故対応や原因について、事故の健康への影響について。
さらに柏崎刈羽の避難計画の実効性について。
東電に事故のデータの提出を求めたり、柏崎刈羽原発を視察するなど、検証作業はようやく本格化し始めたところで、知事辞職表明、選挙ということになり先行きが不透明に。
検証作業は前の知事の時代からも行われ、東電がメルトダウンを認めなかったのは当時の社長の隠蔽指示によるものだったことが明らかにされた。
現状、組織的に福島の事故の検証を続けているのは事実上ここだけ。
選挙戦に向けては検証作業を継続するかどうか大きな焦点。


もちろんこうした検証作業続けるかどうかは新しい知事の下で決める話だが今後選挙戦に向けて各党や候補者は、再稼働を認めるかどうかに加えて、この点どうするのか考え方を明らかにして論戦を深めてほしい。
(水野 倫之 解説委員)