万里の長城の「新築」は禁止 中国政府が方針
中国政府の国家文物局は24日、世界遺産「万里の長城」の新たな保護計画を発表した。コンクリートによる修復で「文化の破壊だ」と批判を浴びたことを受け、「保護の名を借りた『新築』をしてはならない」と明記。一方、異民族の侵入を防ぐ拠点となってきた長城の歴史からは愛国や抗戦などの「長城精神」が学べるとして、教育への活用も盛り込んでいる。
長城は紀元前から明(1368~1644年)の時代までに断続的に築かれ、全長は約2万1千キロに及ぶ。2016年に遼寧省に残る明代の城壁の上部が、約780メートルにわたってコンクリートなどで塗り固められていることが報道され、非難を浴びた。
新たな保護計画では監視網を整備し、自然崩壊や歴史的な景観に配慮しない修復、無許可で城壁を登ったり削ったりする行為などを防ぐとした。
(朝日新聞デジタル 2019年01月26日 15時01分)