避妊に失敗したり、同意のない性行為で避妊ができなかった場合、妊娠を回避する目的で事後に使うアフターピル。
国内では72時間以内に1錠飲むタイプの緊急避妊薬「ノルレボ」が唯一の承認薬として使われているが、富士製薬工業が2月12日、国内で初めて「ノルレボ」のジェネリック薬「レボノルゲストレル錠」の製造販売の承認を受けた。
ノルレボは1万5000円前後...そんなアフターピルが安くなる
産婦人科で処方してもらうと1万5000円前後と高額なため、学生や自由に使えるお金の少ない主婦らにとって経済的な負担が強かった。
富士製薬工業によると、価格と発売時期は調整中で未定というがジェネリックのため価格は下がる。薬の効能は、ノルレボと同じく72時間以内に1錠飲めば、妊娠阻止率は85%前後になるという。
ノルレボは保険適用がない薬で、今回のジェネリック薬も同じく保険適用はされない予定。
保険が適用され国によって薬の価格が決まる医薬品は、基本的にはジェネリック薬品が先発品の半額で算定される。だが、ノルレボなどはこうした基準は当てはまらない。
そのため、価格の見通しなどは不明だが、富士製薬工業は「新たな選択肢を提供することができ、経済的な負担の軽減にも貢献したい」としている。
また、国内での緊急避妊薬の認知度が5割を切る現状について「医薬品の情報提供のみならず、認知度の向上に向けて様々な取り組みを展開していきたい」という。
フリマアプリで安い未承認薬を販売、逮捕者も
アフターピルは承認薬が高額なことから、SNSなどで非合法な販売も横行している。
Twitterではこれまで、「緊急避妊薬」や「アフターピル」と入れると、「格安販売します」などと説明が書かれたアカウントが散見されていた。
SNSで書かれている価格は送料込みで2000~3000円ほど。1万5000円前後のノルレボと比べて5~7倍も安い。だが、そうした薬は無許可販売だったり、偽物が紛れていたりする可能性もある。
2月1日には、外国製の緊急避妊薬を無許可で販売したとして仙台市太白区の男(46)が逮捕された。
男はSNSからフリマアプリに誘導し、商品名を「腕時計」と称して1箱3000円前後で売り出し、群馬県の20代男性ら4人に緊急避妊薬6箱を計約1万9000円で販売した疑いがある。
婦人科へのアクセスが悪かったり、お金がなかったりしてこうした犯罪に引っかかってしまう人も少なくない。
アフターピルについては、手に入れるハードルを下げるために2017年には市販化について厚生労働省の検討会で話し合われ、現在は別の検討会でオンライン診療への適用が議論されている。